組み込み系で「若い技術者の顔が見えない」

「若い技術者の顔が見えない」という日経Tech-onの記事。

http://techon.nikkeibp.co.jp/article/TOPCOL/20080111/145291/

まぁ組み込み系はたしかに表に出てくることは無いですね…

なぜか?

それぞれのプロジェクトで共通項が少ないからじゃないのかな、と。RTOSにしたって選択肢は山のようにあるし、コンパイラ、デバッガもCPUなどに依存して種類が多く、共通的なノウハウというのが無い。

プログラムもデバイスに張り付いたベタな書き方をしているところもあるだろうし、ドライバ層、ミドル層、アプリ層と分かれているところもあるだろうけど、やっぱり作りはその環境に強く依存してしまう。

自分のプロジェクトで少し先進的な機能を実装したとしても、ベースが昔からのソースツリーだったらそれに合わせるために無理矢理設計してたりする。ちっとも外部に誇れるような作りじゃなかったり、問題解決してもこのプロジェクトでのバッドノウハウだったり。

ローカルなバッドノウハウをコミュニティの中で共有できるとも思っていないし、製品開発に携わっている人がほとんどだろうから、そういう人は機密保持で仕事に触れるような話を外部でできないだろうしね…。

だから組み込み系の場合は設計論や品質あたりにフォーカスがあたる事が多いけど、派生開発だとかなり設計の自由度は無くなってしまうし。品質もどちらかと言えばひたすら人海戦術でテストをしてバグを出すというやりかたが昔からあるような気がする。

IT系のように、PCという共通のハードがあって、Webという共通の場があって、LLやフレームワークをダウンロードしてすぐにコーディングできるっていう環境なら、それは取っつく人もたくさんいるよね、ということ。おまけに自分たちがいつも使っているネットという場で新しいアプリが作れるんだし。Windowsアプリにしてもそう。

組み込みはハードが無いと始まらないけど、ふつうの人がハードまで揃えることは稀だし、学習用のハードでLEDが点灯しました、とかモーターが回りました、というプログラムだけでは見た目上、IT系(Web系)に比べて見劣りしてしまうのは仕方が無いのかも。

新しい話題が次々に出てきて、それでいつも盛り上がれるIT系と違って、組み込みは地味だからなぁ…。

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