プロジェクトの負のスパイラル

ベースラインで成功する プロジェクトマネジメント P24より、"プロジェクトの負のスパイラル"

→無理な計画
|↓
|間に合わない
|↓
|徹夜作業(ヘトヘト)
|↓
-最低限のことだけやって、あとは謝って許してもらう
(成功ではないが失敗でもない→ムリな計画が検証されない)

ありすぎて困る。

よくあるケース

プロジェクトが始まる前、見積もりもしてない提案段階から、いつのまにか価格がお客に提示されている。しかもスケジュールは非常に短い。

開発部隊はそれを見て「この期間と予算ではムリ」と言うのだけど「すでに価格とスケジュールはお客に提示してるから」と言われ、仕方なく十分な人数も揃えられないままプロジェクトを始める。

予想どおり、途中で遅延し始める。この頃から残業と休日出勤が増え始める。

マイルストーン直前になって、マネージャがようやく状況確認をする。そして「この品質ではリリースできない。どうするつもりだ」などと言い始める。

かといって応援要員が追加されるわけでもなく、単に残業が酷くなり、徹夜も出てくる。

マイルストーン当日、十分な成果物がリリースできない。大抵、お客に頭を下げて日程をずらすか、機能を落としてリリース。

最終的な納期はそう簡単に変わらないので、マイルストーンは謝って乗り切っても問題を先送りしたに過ぎない。

重要なリリース日の少し前くらいに、またもやマネージャが状況確認に入る。そしてまた「できてないじゃないか」と大騒ぎになる。

さすがにこれでは、ということで追加要員が投入されるが時既に遅し。要員の立ち上げ期間を考えてないので生産性はあまり上がらないし、投入されたほうは無茶な稼働を強いられる。

この頃になるとマネージャも進捗確認会と称して毎日長時間の会議を設定するが、状況を延々と聞くばかりで何かが解決することは少ない。「対策はどうするんだ」「結局いつできるんだ」くらいしか言われない。

お客に頭を下げつつ、何度か期日を延長して最終リリース。予算はとっくにオーバーしているし、みんな疲れ切っている。

でもまたすぐに納期と予算がどこかで勝手に決まったプロジェクトが立ち上がり...。

謝ればなんとかなる。ただし反省もしない。

...つきあいのある顧客だったり、日本企業同士だと「謝ればどうにかなる」という部分がそれなりにある。あまりにもクリティカルなケースでは無理だけど。

あとはマネージャが経験してきた道にも大きく影響されるような気がする。

マネージャがPGやSEだった時に残業、徹夜当たり前の仕事スタイルでやっていると、一線を離れたマネージャになっても部下に同じ感覚で指示を出してしまい、「休日出勤すればいいよね」「1日12時間としてスケジュール計算すればいいよね」というのが"当たり前"かのように扱われる。

もうマネージャ自身は休日出勤も徹夜もすることがない立場で、そんな無茶な指示を出しても自分の腹は痛まないというのもあるのかもしれないけど。

往々にしてそういう現場はどこにでもあるし、そして何度も繰り返される。

「忙しかったのは仕方ない」「仕事があるだけ有り難いと思え」「次の案件で取り返す」...。

現場の一人一人が自衛するしか無いと思う。

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