郷に入れば…?


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今の現場はとてもストレスフルだ。

社内、社外からの色んなプレッシャーが強くて。スケジュール感のタイトさというのもあるし、設計で求められるレベルが高くてレビューが非常に精神的にすり減る。当然ながら組み込みでの設計観点をきちんと考慮できているかというチェックは入るし、対象のデバイスに特化した設計ポイントを押さえているかというのもある。

正直なところ、今回開発しているデバイス特有の設計ポイントは今までやったことの無い分野なので知見として全て押さえているわけでは無い。けどもそこら辺りもかなり完璧に押さえていないと非常に厳しい指摘を受けてしまうのでそこらの考慮(ほんとうに求められるレベルの成果物ができているか)はいつも不安ではある。周りのメンバーもほとんどは新規参入組なので、何年も開発していてノウハウや過去機種からの経緯を知っている人に比べると全然なので内部のメンバーでレビューしても不安を払拭できないのが痛い。

あと、傾向として「凝ったもの」を設計しないとみたいな空気感がある。もっとシンプルに分かりやすい設計でも問題ないのではと思うのだけれど、色々と凝った作りになるような指摘を受けたりする。中には理由を聞いて一理あるものもあるけれど、難しく凝った作りに持っていくような空気感はあるかな…。影響力を持ってる人の思考とかが絡むのでもう仕方ない部分はあるのだけど。言われたほうはそれが「ここの現場の文化」なのか「キーマンの嗜好」なのかが区別しづらい。

個人的には、こういう業務で作るソースは後から別の人間がメンテナンスをすることになることがほとんどで、メンテする人のスキルがいつも自分と同等とは当然ながら限らない。だからできるだけシンプルに簡単な作りをするようにしてる(自分の設計力と、あまり難しいことを考えられない頭脳というのもあるけど)。

なんとなくそういう成果物に対するオーバークオリティな物を求められる感じがあると、作るほうはけっこうプレッシャーである。相手が持つ「正解」にヒットするものが作れるかどうかみたいなクイズをやってる感じになるから。自分の考えというか連綿としたそこの文化やチームの空気にあった考え方をしてアウトプットを出さないといけなく、「正解」では無い場合の厳しい言われ方をされるとね。

特に過去の資料が充実しているわけでもなく、過去からの暗黙知が支配しているような現場に途中から入って、そこら辺の空気を読んで何か作業するのは難しい。聴きだそうにも、どういうノウハウが埋もれているのか、どういう「暗黙」があるのかが分からないのが…。

空気を変える、文化を変えるという選択肢も長い目を見れば取りうるわけだけど、まずそこの現場での「普通」の感覚を知らないとなんとも言えない。単に他の現場ではここまでしない、みたいに言っても「よそはよそ、うちはうち」みたいに言われて終わるしね…。

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