世間はイブイブというけれど

寝れるだけ寝てみた。

風邪がなかなか治らないし、こんなのじゃ街へ出かけてもヒドくなるだけのような気がするから。

そうは言っても今日も会社にはけっこう出勤しているメンバーがいるはず。お疲れさまです。自分は休めただけラッキーだ。

お客さんである某メーカーからは、23、24、25日に働いて他の日に代休してでも年末のバージョンには機能をなるべく盛り込んで欲しいという意向がでてる。ほんとクリスマスなんてあったものじゃないな。予定がある人とかどうするんだろう。製品開発の裏なんてのはこんなものなんだよなぁ。ただでさえ深夜や休日まで仕事している外注社員がたくさんいるというのに。

おとといだったか某社が某携帯キャリアに端末を提供、なんてニュースがけっこう大きく取り上げられていたけど、その裏ではまたこれで世の中にデスマーチが一つ生み出されるのかと思うと、そこに関わることになるだろう技術者がかわいそうになってくる。おそらくうちの会社もまた絡むだろうし、来年早々から苦しむ人が新しく増えるんだろう。

この業界はどうにかならないんだろうか。人を使い潰していっているようにしか思えない。消耗品だ。メーカーに入っている外注は一人潰れてもすぐに新しい技術者を補充するからメーカーとしては痛くも痒くもない。その構造が続く限りは多大に犠牲の払われた末の”新製品”が、店頭でそれを感じさせることなく華々しく販売される風景が繰り返されるのだろう。

そしてネット上のレビューで「ここが使いにくい」「遅い」「不安定」などと叩かれる。もちろんユーザーから見るとその通りだ。しかし開発する側から見るとけっこう複雑だ。バグは問題外だけれど、開発しているときから「これじゃユーザーは使いにくいかな」と思うこともある。ただスケジュールや難易度の関係で妥協することもよくある。

こんなことを書くと「開発者は手抜きしてるのか」とか「物作りに責任を持て」なんて非難されるかもしれないけど、とてもあんな開発現場じゃ「物作りに責任と誇りを持つ」ことは難しいと思う。メーカーの人間ならともかく、実際に屋台骨を支えている外注があの状態ではね。

「プロジェクトX」やテレビのドキュメンタリー番組みたいに、ある製品に心血注いで素晴らしいものに仕上げようと情熱を燃やしている開発現場ってそんなにあちこち無い。たいてい、輝かしくスポットが当たる人間の下には苦労している外注や社員がいるものだ。そういうヒエラルキーがあって成り立っているはずだが、それが表に出ることはない。

IT業界に限らず、どの業界も裏側はこんなものなのかもしれない。ほんとにやりがい持って仕事してる人って一握りなんだろう。

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