読書メモ:スタンフォードの自分を変える教室

スタンフォードの自分を変える教室 スタンフォードの自分を変える教室
ケリー・マクゴニガル 神崎 朗子

大和書房 2012-10-20
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けっこうあちこちの書店で平積みになっていたので、買ってみた。

この本のテーマは「意志力」。意志が弱い、自分をコントロール仕切れないと思っている人に向けて、どうやって改善していくか、みたいな内容。

スタンフォード大学の講義と言っても公開講座なので小難しい内容ではなく、取り上げられている題材は(アメリカの)一般の人向けに身近なものがほとんどだ。ついついクレジットカードで買い物をしすぎる、いけないと分かっていてもカロリーの高い食べ物、お菓子を買う、食べてしまう、など。

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言われてみれば「あるある」

「カロリーの高い食べ物」に対して自制できるか、みたいな食べ物由来の題材が多く登場するのはお国柄もあるだろうし、食欲でついつい、というのは多くの人に共通の悩みだからというのもあるだろう。

書かれているのは、言われてみれば「あるある」ということがほとんど。たしかにそう考えちゃって自分を許してしまっていたり、物事を後回しにしたり、意志が弱くなる瞬間ってたくさんあるよね、という。

ちょっと運動したあとに「運動したから少しくらい」と間食やハイカロリーな食事をするけれど、運動で消費したカロリーよりはるかに高カロリーなのに、とかダイエットしなきゃと思っていてもスーパーで菓子パンやスナック菓子や揚げ物が安かったりするとついつい買ってしまったり…。

書かれているのは「あるある」な事だけれど、それぞれの「行動してしまった」パターンに対して、脳がどういう仕組みでそのような思考に持っていってしまうのかというのがきちんと解説されていてその部分がとても興味深い。そして脳がそう思考してしまおうとするのをじゃあどうやって防ぐか、どう思考するようにすれば改善できるのかを脳の仕組みから導きだし、意志が弱くなってしまうのをできるだけ防ごうということが書かれている。

意志力というと「~しなきゃ」「~は絶対しない!」みたいな0か1かのような思考になりがちなのだけど、逆にそれだと上手くいかない、というのはこの本を読んで改めて思ったこと。

目からウロコ、という内容は少ないかもしれないけれど、読めば「ああたしかに」と思い返すきっかけがたくさん出てきて共感しやすい内容。私個人は「ふむふむ」という感じで興味深く読むことができた。読むだけで意志力が強くなるわけではなく、書かれていることを普段の生活の中などで意識的に思い出して実践してみないと本当に自分の意志力の改善はできないけれど、いくつかは試しやすいものもあるのでやってみると良いと思う。

本のボリュームは少し多めなので章ごとにゆっくり読むか、ざっとまずは流し読みしてみるのも良いかも。

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