徹夜して仕事している人間が「偉い」か?

徹夜した、土日潰して働いた、サビ残して頑張った、というのが偉いって感覚はもう捨てたほうがいい。

確かにそういう状況で頑張ってものを作った、というのは「頑張った」「大変だっただろう」という評価は私は素直にできる。でもそういうのをした人たちが「偉い」か?と言われると違うんじゃないか。

私も20代のときは、本当に時間を忘れて作業に没頭してたときもある。サビ残も数え切れないくらいやったし、デスマーチでぶっ倒れそうな勤務形態だったこともある。確かにそういうときは常識的な仕事量の人を"なぜか"格下に見て「あいつらは...」と言っているのだ。

でもその後、非人間的な労働時間を強いる作業の振り方、進め方は悪だとようやく気づいた。ほとんんどこれで得られるものは無かったからだ。得られるもの、強いて言えば体育会系風の「気合いと根性」、そして「デスマーチに対する慣れと感覚の麻痺」、そして少しの残業代か。まったく嬉しくないが。

失ったもの、20代の貴重な時間。ま、30代の今もだが。見聞や学習、スキルを磨く、やりたいことをやる時間。

今の若い世代には、自分らが経験したような理不尽なスケジュールや作業量でやらなくても良いはずの徹夜や休日出勤はやって欲しくない。休出や1日12時間労働をあてにして作業をアサインする管理職はおかしいと思う。

そういう管理職ほど自分が通ってきた辛い道を歩ませようとするし、最初に書いたように「無茶働きする人間のほうが上」だと思っているのが危険なのだけど。

仕事で新しいことにチャレンジするというのと、単に仕事の無茶振りは違う。「厳しい仕事をしたほうが人間が成長する」と言いつつ実態は単なる無理なアサインだったりするから。

そして恒常的に残業、休出している人たちを見ていると「この人の人生は仕事だけの毎日だけど、人生の時間はどんどん過ぎていくことに焦りを覚えないのかな」と思う。

人によってはONとOFFを切り替えてるかもしれないし、そんな仕事状況でも充実していると思ってるのかもしれないけど、人生の時間があっと言う間に過ぎるのは怖い。振り返ると恐ろしい。20代、30代のいちばん脂が乗ってる時期をそんな生活で過ごしてしまったんだ、と。

ある意味「人生の無駄づかい」のような仕事を次の世代にやらせたら駄目。負の連鎖は断ち切らないと。綺麗ごとかもしれないが、これが今のSIerなどの問題点と思う。

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